TOPICS
トピックス
2016年9月14日

【レスリング部】同志社初のインカレ優勝者誕生~これまでの取り組みとこれからの課題~

2016_0913_01.jpg平成28年8月25~28日に行われた全日本学生選手権大会女子フリースタイル63キロkg級で今井栞海が優勝し、同志社大学レスリング部初のインカレチャンピオンが誕生しました。

今井選手は私が立ち上げた海洋レスリング教室で中学生の頃から高校にかけて指導した選手です。高校卒業後は同志社大学に進学してくれました。長年育成した選手が、今年4月のジュニアオリンピック大会で優勝に続き、今回のインカレでも栄冠を勝ち取ってくれたことをほんとうにうれしく思っています。

今井選手にはその卓越した身体能力を生かし、さらなる成長と活躍を期待しています。

今回、我が部初のインカレ優勝者が出たことはほんとうに喜ばしいことですが、まだまだ課題もたくさんあります。レスリング部は今から4年前に創部以来守り続けてきた西日本リーグ1部の座から2部に転落しました。それをきっかけに、OB会の複数メンバーが立ち上がり、さまざまな課題に取り組みました。そしてまさに今もその取り組みの真最中で、新たな壁も現れています。今回はそれを少し紹介したいと思います。

学生スポーツの現状

現在、強豪と言われる学生スポーツの多くは、(1)常駐の監督、コーチが存在し (2)選手獲得の手段が容易で (3)特待制度など経済的支援体制があり (4)寮やクラブハウスなど選手の管理状況が確立されている等の基本条件の整った状況のなかで各大学は鎬を削っています。

高校指導者の思い

多くの高校の指導者は、私も含めて教え子の進路には神経を使い、できれば幸せになってもらいたいと願っています。その指導者が背中を押してくださらなければ同志社大学の受験は実現しません。私も指導者の一人として、またOBとして高い競技レベルの選手を同志社大学に入学させたいという気持ちは十分にありますが、さまざまな障害があり積極的に一歩を踏み出すことができませんでした。

OBが変わる

しかしOB会で真剣に話し合い、選手獲得における障害を一つ一つ取り除いていく中から私たちOBに希望が生まれ、選手には結果が生まれ、指導者や保護者に信頼が生まれ、現在のかたちにたどり着いています。その取り組みは、平成27年10月にスポーツユニオン東京支部で講演の機会をいただき、その中でご報告させていただきました。

4つの支援策

その内容は次のとおりです。

1.強化支援策

  1. 選手勧誘と同時に、合格するまでの受験指導、不合格の場合の事後指導を徹底すること。
  2. 獲得した選手を練習に打ち込める体制を構築すること。また朝練習を義務化すること。
  3. OB会より遠征や合宿、大会参加に対する補助を行うこと。(経済的補助)

2.学習支援策

  1. 取得単位や授業参加状況を把握し、保護者・高校顧問とも連携すること。

3.生活支援策

  1. OB会協力者の物件を募り選手を下宿させて朝練習等を把握、指導すること。

4.就職支援策

  1. 多くの支援者やOBの皆さんの人脈や実績を活用し就職活動の支援し、指導を行うこと。

結果および喫緊の課題

多くの皆さんのご理解とご支援にこたえるべく、OBの有志たちは仕事やプライベートな時間を割き、学生(後輩)のために、母校同志社のために、前田監督を中心に部を改革する取組を進めました。その結果、24年ぶりのリーグ優勝を勝ち取り、その後3連覇、個人でも平成27年全日本3位、平成28年には今回の今井選手による初のインカレ優勝、ジュニア日本代表として海外派遣など、一歩一歩戦歴を積み重ねています。しかし、この状況をしっかりと引き継ぐ後継者育成とさらなる環境整備は次の重要な課題です。

新たな壁

また、現役の学生にどのようにして『同志社愛』(母校愛)をしっかりと意識して(植え付けて)卒業してもらうことができるかも重要な課題です。現役時代にOB会から多大な支援を受けて学生生活を送った選手であっても、卒業してしまうとOB会活動に無関心であったり、OB会費を納入しなかったりと、残念な事象も見受けられます。学生時代に頂戴した援助や支援は、次の世代に恩返ししていくこと。それが母校愛であり『同志社愛』だと思います。OB一人一人にそんな気持ちが芽生えなければ次期指導者も多くの皆さんからの支援も生まれることはないと考えています。私たちスタッフ一同、試行錯誤している「永遠の課題」です。

最後になりましたが、この度はユニオンのHP掲載のチャンスをいただきありがとうございました。
今まで以上に同志社大学体育会レスリング部にご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

同志社大学体育会レスリング部 ヘッドコーチ 三村和人

WEBサポーターのご案内