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2016年8月29日

【リオ五輪 フェンシング】太田雄貴選手へ、福﨑諭フェンシング部監督より

6月25日 太田雄貴選手壮行会で、豊原同志社スポーツユニオン会長と

雄貴、本当にお疲れさまでした。
リオデジャネイロ五輪の試合当日は、同志社大学飯村ヘッドコーチの家に、京都フェンシング界、平安高校、そして同志社大学の関係者が集結しました。全員、最後まで雄貴の勝利を信じ、必死で応援しました。

しかし、その時は来ました。まさかの初戦敗退。我々はその瞬間に静まり返り、声も出ませんでした。1位シードの雄貴が初戦で姿を消すなど、夢にも思っていなかったからです。地元ブラジル選手への観客の声援、世界ランキング2位というプレッシャーが、雄貴の動きに影響しているようでした。日本が団体で五輪出場を逃した悔しさをバネに、エースとして日本フェンシング界をさらなる発展に導かなければという責任をも感じていたのでしょう。「雄貴ならやってくれる」。周囲のその期待が目に見えない重い荷物となり、雄貴の背中にのしかかっていたのかもしれません。

それでも、雄貴の歩んできた道のりが賞賛に値することは、誰の目にも明らかです。大学を卒業してすぐ、無我夢中で挑戦した北京五輪。日本代表団体のエースとして挑んだロンドン五輪。現役生活の中で4たび五輪に出場し、2つの銀メダルをもぎ取ったことは、快挙としか言いようがありません。ロンドン五輪を終え、一度剣を置いた身から、再び五輪の舞台に立ったことにも驚嘆しています。アテネ五輪からリオ五輪までの12年間に世界中の選手が入れ替わる中、常に世界トップクラスの地位をキープしていたことは、たゆみない努力のたまものです。ひたすら剣の道を追究する雄貴の姿に、多くの人が感銘を受けたに違いありません。

いま全国には、雄貴のサイン入りのフェンシング道具を持った少年少女があふれています。子どもたちに夢を、という雄貴の思いは伝わっているはずです。あんなに小さかったフェンシング大好き少年が、京都の平安高校、同志社大学という土壌でしっかりと種をはぐくみ、世界という舞台で大きな花を咲かせてくれました。雄貴のフェンシング人生に対し、「本当によくやった」と拍手を送らずにはいられない気持ちです。

これからは、新しい人生のスタートです。ようやく重い荷物を降ろせる時が来ました。雄貴なら、どんな世界で生きることになっても、リーダーになってくれるでしょう。今まで支援してくださった方々全員が雄貴のかけがえのない財産です。多くの人の力を借りながら、メダリストとしての自信と誇りを胸に、さらに飛躍していってくれることを祈っています。

同志社大学体育会フェンシング部 監督 福﨑 諭

6月25日 太田雄貴選手壮行会で、豊原同志社スポーツユニオン会長と
6月25日 太田雄貴選手壮行会で、豊原同志社スポーツユニオン会長と
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