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2016年6月17日

第7回世界学生カヌースプリント選手権に参加して

日本選手団

016-7th World Universiade Championship-Caone sprint/Montemor-O-Velho/POR

主催:FISU(International University Sports Federation=国際大学スポーツ連盟)
期間:2016年6月7日~10日
場所:ポルトガル モンテモル オー ボーリョ 国際カヌーコース
日本選手団:

選手は二度にわたり(3月・5月)行われた日本代表選考会を勝ち上がり代表に選考された。中でも同志社の3名はそれぞれ複数のエントリーを認められる成績を収め、代表となった。なお、選手9名のうち4回生が6名を占めたが同志社からは4回生1名、3回生1名、2回生1名という状況であった。
今回は同志社から選手3名に加え、役員としても田中が指名を受け日本選手団12名のうち1/3を占めることになった。

6月4日、関空組7名と成田組5名に別れ出発しリスボンの空港にて深夜に合流。大会本部の用意したバスにてコインブラのホテルに到着、就寝。
5日朝、正式にメンバー全員の顔合わせを行い、学生の自主性を重んじるために学生自身でチームリーダーを決定。同志社の橋本はカナディアンリーダーとなった。朝食後、バスで30~40分の会場へバスで移動。選手たちはカヌースプリントワールドカップポルトガル大会の最終日を見学、学生選手権に出場する選手も多く散見された。なお、今回のワールドカップには日本選手は出場していない。トレーニングルームで体を動かし、会場の設備、コースの状況などを調査し雰囲気を把握した。

6日、会場にて役員は正式な受付他を行い、使用艇の調整、練習を行う。

7日、選手は最終調整練習を行い、役員はテクニカルミーティング。夕刻オープニングセレモニー。

8日、競技開始日。日本選手団の先陣を切って同志社の橋本(スポ健4年)がC1-M-200mの予選に向かい、準決勝に進出を決める。次に宍戸(スポ健2年)がK1-W-200mの予選へ、これも準決勝進出。午前の最終レースに山本(スポ健3年)・宍戸(スポ健2年)がK2-W-200mの予選に。これは見事に準決勝を経ずして決勝進出を決定した。
長い昼休憩を取り橋本のC1-M-200の準決勝、3位となり見事に決勝進出を決める。続いて宍戸のK1-W-200の準決勝残念ながら5位となり決勝進出を逃す。
監督の中村先生が所用のためここでチームを離脱。以後田中が監督を兼務。

≪橋本 将都(スポ健4年)1000mで7位入賞、山本結花(スポ健3年)・宍戸美華(スポ健2年)500mペアー7位入賞≫

9日、競技2日目。橋本C1-M-1000m決勝。AUS、CHNは抑え、健闘したが7位。
山本・宍戸得意のK2-W-200m決勝。CZE、CHNを抑え、GBRに僅差の悔しい7位。
夕刻コインブラ市内にてチームリーダーディナーが行われ、田中が参加。

≪橋本 将都(スポ健4年)500mで5位入賞≫

10日、競技最終日。橋本C1-M-500m決勝。前日の1000mが7位に終わり、500mに勝負をかける。スタートから中盤にかけて、効率よく艇を伸ばし力みのない漕ぎを見せる。300m地点で7位。終盤に入って猛烈に追い上げ、まず地元PORを捉え、ゴール直前にGBRをもかわして5位にてフィニッシュ。会場入りした当初から2位になったITA選手をマークするようにアドバイスしていたが、必死に食らいつき良いレースコントロールであった。今大会で唯一日本人が後半追い上げて順位を上げた見事なレース内容だった。

≪山本結花(スポ健3年)・宍戸美華(スポ健2年)500mペアー7位入賞≫

山本・宍戸K2-W-500。強烈な風が吹き、小柄軽量な二人には不利な状況。しかし粘り強く漕ぎ進め、CZE、CHNを抑えて7位でフィニッシュ。
日本チームとして最終レース、橋本C1-M-200。同じく猛烈な風の中、最も不利な9レーン。健闘むなしく9位でレースを終えた。

≪同志社勢大活躍5種目で決勝進出≫

同志社の3名の選手は6種目にエントリーし、5種目で決勝に進出、メダルセレモニーには一歩及ばなかったが、それぞれに収穫があったと感じている。
全レース終了後フェアウェルパーティー、(といっても野外での豚の丸焼きとパンとサラダ、飲み物という質素なものだが)学生らしく多くの選手が国の分け隔てなく楽しむ姿は清々しく感じられた。

≪Happy Birth Day!!≫

パーティー終了後、リスボン市内に向けて。フランス、韓国、セルビア、ラトビアなどとバスに乗る。特にフランスチームは陽気で皆を巻き込み楽しんでのバス移動となった。
当日、宍戸が20歳の誕生日であったため、セルビア人が音頭を取りバス中で「Happy Birth Day To You!」を祝ってもらったことは彼女にとって素晴らしい思い出となるだろう。

11日、関東組は6:00の飛行機のためホテルを4:00出発。関西組も同じ時間の予定だったがエアーフランスのストライキ対象となりエアーチケットの変更を余儀なくされた。カウンターでの交渉を覚悟したが、何とかそれまでに変更ができ昼にホテルを出発し、14:20にリスボンを立ち、ミュンヘン、羽田を経由して関空へ。鹿屋体育大学の二人は大阪で一泊の後、鹿児島に。日本時間13日15:00、鹿屋の二人が帰宅した報告を受けて正式に解団した。
.今回の日本チームは同志社の3人(ほんわかムードの橋本、真面目でしっかり者の山本、明るく物おじしない宍戸)を中心によくまとまっていた。カヌースプリントという競技は体重別のカテゴリー分けが無く、同じ重量の同一規格の艇を使用するので体重が重い、背が高く手足が長い外国選手が一般に有利である。特に風や波が強くなればなるほどその影響は大きい。また、今回のコースは設計上インレーンの風が弱く、アウトレーンの風が強い傾向にあり、午後は特にそれが顕著であった。このアウトレーンを言い訳にする大柄な外国人選手も見受けられる中、「実力です」と謙虚に受け止める日本人選手の姿は、尊敬に値すると思う。このような素直で、現実を受け入れる姿勢が競技力を向上させているのだろうとも感じることができた。
学生たちは、卒業後に競技を続けるか否かは別にして、外国との壁が低くなる要因になるだろう貴重な経験であった。

世界大学カヌースプリント選手権 同志社選手の結果

日本選手団
日本選手団
最も大きい選手(セルビア人)と最も小さい宍戸
最も大きい選手(セルビア人)と最も小さい宍戸
コインブラの街並みを背に、右から橋本・宍戸・山本
コインブラの街並みを背に、右から橋本・宍戸・山本
ハンガー内で出番直前、右から、山本、田中、宍戸
ハンガー内で出番直前、右から、山本、田中、宍戸
レースを終え船台に戻り笑顔の宍戸(前)、山本
レースを終え船台に戻り笑顔の宍戸(前)、山本
いざ出陣、橋本
いざ出陣、橋本

選手のコメント

橋本将都「スポーツ健康科学部4回生」

1000m 7位   500m 5位  200m 9位
以上の結果となりました。
初の世界大会でしたが、スタッフのサポート・皆さんの支援・応援、指導があり普段通りレースに挑むことが出来ました。ありがとうございました。
レースの内容としては1000m、200mはスタートから前に出られて後半も追いつくことが出来ませんでした。
500mもスタートから前に行かれて前半250m地点では7位の通過でした。
ですが後半250mで追い上げ、2艇を追い越す事が出来ました。
スタートを改善し、前半のタイムを上げれば順位を上げることは可能だと思いました。
世界大会の決勝で漕ぐという経験ができ、そこから得たものは沢山ありました。
今後も更に成長し、関西学生選手権大会・全日本学生選手権で優勝するために努力していきます。

山本結花「スポーツ健康科学部3回生」

今回のレースを振り返って
200m、500mともに良い意味でも悪い意味でも実力以上のものを発揮できたと思います。レース後にフラフラになることは良くあるのですが、今回の世界大学選手権のレースでは、レース中フラフラになるほどまで追い込みました。国内戦では必ず自分たちがスタートから先頭で漕いでいたのですが、各国の代表選手にはスタートから前に出られていたため、少しでも差を広げないためにスタートから全力でぶつかっていきました。自分たちは今までいかに中盤で楽に漕ぐことができるかを追求してきたために、前半から中盤までピッチを落とさずに漕いだ結果、ラストはスパートをかけることができませんでした。しかしすべてのレースにおいてスタートから前半まではとても調子が良かったです。前半の加速があってこその中盤、ラストでの粘りを考えると、いま自分たちができる限りのことはやりきれたと感じていますし、練習では諦めてしまうような展開に至ったとしてもレースでは必ず最後まで気持ちを切らさずに漕ぐことができたので、良い意味でも悪い意味でも自分たちの実力以上のことを本番でやりきれたのではないかと感じています。
個人的にはものすごく後悔しています。日頃の練習からピッチを回す練習をしてこなかったこと、ペアの後ろとして役割を果たしきれなかったこと、これらのことに向き合えずにレースを迎えてしまったことです。自分の腰の故障の影響もありましたが、世界の速さは分かっていたはずなのに、国内レースに捉われすぎて世界で勝つための練習ができておらず、力不足といえばそれまでなのですが、もっといろんな挑戦をしてみたかったです。こんなぎりぎりの中でも前で自分を引っ張っていってくれた後輩には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。頼りない自分をカバーするかのように相方は心が強く、器用な選手です。
今回の悔しさは必ず次に活かします。叶うならばもう一度後輩と世界で戦ってみたい気持ちもありますが、日本のカヌーシーズンはまだ終わっていないので、夏、自分たちらしく追いこんで、追い込んで、大差で全国制覇を果たしたいと思っています。プレッシャーはありません。どこまで追い込めるかがとても楽しみです。
今回、多くの方々のご支援、ご声援のおかげで世界大学選手権に出場することができました。日頃からお世話になっている学校関係者の方々、カヌー関係者の皆様、体育会カヌー部のOB様、チームの仲間、家族、友達など、すべての皆様に感謝の気持ちを忘れず、今後さらなる飛躍を目指して精進して参りたいと思います。本当に有難うございました。

宍戸美華「スポーツ健康科学部2回生」

今回私は、6月7日から6月10日までポルトガル(Portugal Montemor‐o.Velho Coimbra)で行われた第7回世界大学カヌースプリント選手権に日本代表として出場しました。出場種目は、WK-1 WK-2 200m WK-2 500mに出場しました。
第3位以内に入りメダルを獲得することを目標として試合に臨みましたが、結果は、WK-1 200m準決勝5位 WK-2 200m 500m共に決勝7位という結果で終わってしまいました。海外選手は身長、体格も大きく圧倒されましたが、私の実力のすべてを発揮できたので悔いはありません。しかし世界で戦っていくにはもっとたくさんの努力が必要であると痛感しました。
私の目標は、東京オリンピックに出場してメダルを獲得することです。今回感じたすべてのことをこれからの競技生活に活かし、精進してまいりたいです。これからも応援よろしくお願い致します。

カヌー部OB 田中義胤(S54法卒)

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